大判例

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最高裁判所大法廷 昭和24(ク)15 決定

主 文

本件再抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

本件抗告理由について。

裁判所法第七条第二号は最高裁判所に対する抗告の申立については民訴第四一九

条ノ二(民訴応急措置法第七条)に定める抗告のように訴訟法において特に最高裁

判所の権限に属するものと定めたものでなければこれをなすことが許されない趣旨

であることは当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(ク)第一号同年一

二月八日決定、同年(ク)第五号同年同月一〇日決定参照)。そして、下級裁判所

のした決定に対して、最高裁判所に抗告の申立を許すことにするか否かは結局審級

制度の問題に帰する。ところが憲法は審級制度に関しては同法第八一条の場合の外

立法を以て適宜に定め得るところに委ねていることは当裁判所大法廷の判例とする

ところであるから(昭和二二年(れ)第四三号同二三年三月一〇日大法廷判決参照)

抗告の裁判権についても違憲を理由とする場合の外立法を以て適宜定めうるものと

いわねばならぬ。そして抗告人の援用する第三二条の趣旨は「凡て国民は憲法又は

法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機関

によつて裁判をなされることはないことを保障したものである」ことは当裁判所昭

和二三年(れ)第五一二号同二四年三月二三日宣告大法廷判決の示すとおりである

から同条は審級制度を如何に定めるかということについての規定でないことを言う

を待たない。されば以上当裁判所大法廷の判例の趣旨によれば裁判所法第七条第二

号において「訴訟法において特に定める抗告」の外最高裁判所の権限に属しないも

のと規定したからといつて毫も憲法第三二条に違反しないと論定せざるを得ない。

ところで、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属する抗告は民事関係におい

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ては民訴第四一九条ノ二に定める抗告の外にはない。そして同条の規定によれは抗

告は原決定においてした憲法適否の判断が不当であることを理由とするときに限り

最高裁判所に特に申立てることができるだけである。しかるに本件抗告か右の場合

に該当しないことは再抗告状及び抗告申立理由書により明らかてあるから本件抗告

は不適法たるを免れない。

よつて抗告費用は再抗告人に負担せしめることとし主文のとおり決定する。

昭和二四年七月二二日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 眞 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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